釣り大会にて1

昨日までのわたしは過労によって死したため、今日は13時半くらいにむくりと起き上がり、ふらふらとシャワーを浴びて釣り大会会場を目指しました。
何も考えずに普段着で着てしまったことを会場についてから後悔しても遅く、とりあえず毛布だけ借りて船に乗り込んだ時分はまだ、太陽も沈みかかるかかからないかくらいの心地よい陽気で、ずいぶん湖の中を進んだ後、「⑳」という目印のあたりでイカリを降ろした仲間は、釣竿を借りていざ餌をつけようとした瞬間、恐怖におののくわたしには目もくれず、落ち着いた様子でじっと竿をかまえていたのだった。
最初に渡された「ジャムシ」という虫は、ミミズとムカデを足して2で割ったような虫で、体をちぎられても元気に動き、血もあまり出ないようすだから思わず、「からだをちぎられても死なないなんて不思議だねー・・・」と口走ってしまったのだけれど、「人間だって片手がなくても生きてるじゃん」と言われてしまい、そうすると今度は、じゃあ人間は脳とか心臓をちぎられたら死ぬと思うので、ジャムシの脳や心臓はどこにあるのだろう、と悶々考え込むはめになった。
その次にわたされた「ユムシ」はヒルみたいな風貌で、とにかく気持ち悪すぎて触ることは到底かなわなかった。しかし餌としては高級らしく、韓国では食べられてさえいるとのことである。
最後は「ボケ」というザリガニの赤ちゃんみたいな餌を、おお、これならいける! と息巻いて受け取ったものの、針をさした瞬間にものすごい勢いで抵抗されたのでそれ以上針をさし進めることは困難だった。
結局わたしは「餌がつけられない」という釣る行為より手前で頓挫し、本来なら釣りをする資格すら得られないところだったけれど、同船した仲間に助けてもらい、なんとか釣りを楽しむことができたのだった。(めでたしめでたし)