京のおせん

幸と不幸が別次元に存在するとしたら、今日という日は間違いなくしあわせな方だ。
というのもわたしは、すっかり魔法にかかってしまったのです。つい4日前に行ったばかりの大学へ再び足を運び、ジャズ喫茶(もどき)で一人感動していました。今までジャズはCDでしか聞いたことがなく、生演奏を体験してこなかったのは大変もったいないことでした。
なんとなくジャズのソロ演奏は誰かの合図で終わるように見受けられたのですが、今日はソロ演奏者が苦しいアピールをしてもなかなか終わらせてあげずにその様子を楽しんでいる風のいじわるな女の人がおり、それはもうだんだん見ているこっちがハラハラしてくるほどの悪魔っぷりで、演奏が無事終わったときには自分までホッとするやら感動するやらの大変な臨場感でした。こういった体験はCDではなかなか味わえないのでとにかくおもしろおかしく、わたしはすっかりあのいじわるな魔女の魔法によりその虜になっていたのでした。