チャーリーとチョコレート工場

asin:B00067HDXE
チャーリーとチョコレート工場のチョコレートは本当においしい。わたしはおいしいものが好きなので、チョコレートが食べれてとても幸せだと思う。しかしチョコレートのおいしさを語る前に、わたしはこの映画のおそろしさを語らねばなるまい…。

チャーリーと一緒にチョコレート工場に招待された子どもたちは、太っちょの食いしん坊、野心家のガム娘、わがままお嬢にゲーム脳キッド、といずれも「大人が望む可愛らしい子ども像」からは遠い位置に存在していた。だからチャーリーがこの子どもたちを憎たらしいと感じたことは理解できるし、工場の中で起きた悲劇は、子どもたちが自らチャーリーのまいた餌を食べただけのことで、これについて語る余地は残されていない。でも、他人の悲劇を心底楽しんでいる(風の)チャーリーの笑顔はおそろしすぎた。わたしはチャーリーとチョコレート工場で人間の狂気を目の当たりにしたのである。世間はこういうのをブラックユーモアだと言って笑うの? おばけよりも怖いチャーリーが好き?