ニッポニア・ニッポンについての検索結果は、わたしにとって意味のあるものだった。

ニッポニア・ニッポンというのは「トキ(コウノトリ目トキ科の鳥)」の学名で、Googleなどで検索すると、あべかずしげさんが小説の題材にした他にも、23年前くらいにさだまさしさんが「前夜」という歌にうたっていたことがわかります。わたしは、あべかずしげ先生の本を読んでニッポニア・ニッポンに興味を持っていたところだったし、さだまさしさんが「前夜」を発表したのと同じ年に生まれたことも手伝ってか、無性にその歌詞にとり憑かれました。さだ先生の数フレーズから浴びせられるせつなみは、あべ先生の本の厚みを思うと更に拍車をかけます。それから何となく井上陽水先生の「傘がない」を思い出したのは、「前夜」と「傘がない」の誘うせつなみが似ているからでしよう。

といっても、2006年の今では日本産のトキはとうに絶滅しており、わたしは朝までコタツの中で、真っ暗の悲しい何も映らない夢を感じて寝ました。